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【第2回】HIを鍛えよう:「AI時代の現実を直視せよ - 迫りくる変革の波」〜直感力と視点、想起と芸術的衝動。今駆け抜けるAI時代の自立革命

  • 執筆者の写真: Hiroshi Abe
    Hiroshi Abe
  • 7月14日
  • 読了時間: 7分

更新日:8月4日

【第2回】HIを鍛えよう:「AI時代の現実を直視せよ - 迫りくる変革の波」〜直感力と視点、想起と芸術的衝動。今駆け抜けるAI時代の自立革命

HIとAI


前回HI(人間性知能)という概念を紹介した。

今回は、なぜ今HIが必要なのか、AI時代の現実を見ていこう。


ただし、最初に明確にしておきたい。


このブログは「人間がAIに勝つ」ためのものではない。AIやASIがどれほど進化して、人智を超えた直感力を持つと仮定しても(専門家間でも意見が大きく分かれる未解決問題だ)、人間が人間らしく、尊厳を持って生きるための知恵を探求するものだ。


HIの価値を「能力の優位性」ではなく「人間として生きること自体の意味」に置いている。


では、本題に入ろう。



◆ AIによって価値が失われる仕事


AIカルチャーの広がりが、これまでの仕事の多くを奪い始めているのは世間で言われている通り。これは完全に奪うというよりも、それらの仕事をする人は完全になくならないが、その仕事の価値がなくなる、つまり稼げなくなるという方が正しいだろう。


今更この「なくなると予想される仕事」云々について説明しなくても良いと思うが、整理のために、AIによって価値が失われる仕事を確認しておこう。


事務・データ処理系

  • データ入力業務

  • 経理・簿記業務

  • 一般事務(書類作成、整理)

  • 受付業務

  • コールセンター業務


分析・調査系

  • 市場調査・データ分析

  • 財務分析

  • リサーチ業務

  • 統計処理業務


創作・制作系

  • 翻訳業務

  • ライティング(記事作成、SEO記事)

  • プレゼン資料作成

  • 基本的なデザイン業務

  • 画像・動画編集


専門業務系

  • 税理士業務(申告書作成など)

  • 法務業務(契約書作成、リーガルチェック)

  • 会計業務

  • 人事業務(履歴書選別、初次面接)


金融・投資系

  • 株式・為替トレーディング

  • 投資アドバイザー

  • 保険査定業務

  • 融資審査業務


その他

  • 単純な接客業務

  • 在庫管理

  • スケジュール調整

  • 基本的なプログラミング業務


現在の、SNSを主流とする「マーケティング」という業務の価値は大幅になくなることだろう。



◆人間が生き延びるための仕事の本質


仕事が人生の全てではない。

そして仕事の選択が、人間の生きがいを左右するわけではない。


しかし、人間は生き延びるために仕事をしなければならない。


石器時代や狩猟時代だったら、それが「狩り」であり、農業時代には「農作」、工業時代には「機械を動かしてモノを作る」、情報化時代には「パソコンを動かして処理する」という行動が主役というだけだった。これが高度情報化時代になって複雑化し、更に細分化した。

だが、本質的には生存戦略であって、石器時代も現代も同じであり、「人が生き延びるため」にやっていることだ。


少し横にそれるかもしれないが、この20年ぐらいで、中小からエンタープライズ系企業まで、大小様々なプロジェクトに参加させてもらってきたが、資料の内容やボリュームそして会議の数と時間に頼っている会社やプロジェクトは、統計的に平均的に大したことがなく、生産性が低い場合が多かった。これは、経営者やプロジェクトリーダーといった責任者が、真の生存戦略を描けずに、形式に逃げていることの現れだ。


⚫︎ 本質的な価値創造

これからAIがその資料作成や形式的な会議の部分を効率化・自動化するため、本質的な価値創造ができない組織や人は生き残れない。


では、その「本質的な価値創造」とは何だろうか。


それこそが、AIには代替できない人間独自の能力、つまり前回紹介したHI(人間性知能)なのではないかと考えている。この点についても、連載の中で順番に詳しく解説してゆきたい。


AI時代には「AIを使う」ということが行動の主役になりつつある。そして、大雑把に言うと、やがて到来するAGI・ASI時代には「AIに使われる」時代になるのかもしれない。


⚫︎ アマゾンCEOアンディ・ジャシー氏公式ブログ(2025年6月17日)

「生成AI導入により、今後数年間でアマゾンの企業部門の総従業員数が減少する」見込みだとブログで明言。AIが業務効率を向上させ、一部の職種が不要になる一方、新たな仕事も生まれると予測。このメッセージ詳細は、アンディ・ジャシーCEO自身の言葉で以下の公式ブログで確認できます。


Message from CEO Andy Jassy: Some thoughts on Generative AI

Message from CEO Andy Jassy: Some thoughts on Generative AI


◆ 専門家が予測するAI進化のタイムライン


⚫︎ AIに使われる時代の始まり

AIに使われるという状況は既に部分的に始まっていると言ってもいい。


  • SNSのアルゴリズムが見る情報を決定していること

  • 検索結果やレコメンデーションが思考を誘導していること

  • 株取引の自動化で人間の判断が排除されていること


そして、AI分野の第一人者たちは驚くほど近い未来にAGI・ASIの到来を予測している。


⚫︎ AGI・ASIとは

AGI(汎用人工知能)とは、人間と同等かそれ以上の知的能力を持ち、あらゆる分野で人間レベルの作業を実行できるAIのこと。現在のAIが特定分野に特化しているのに対し、AGIは人間のように多様な問題を解決できる。


ASI(人工超知能)とは、人間の知能を全ての分野で大幅に上回るAI。科学的発見、創造的思考、社会的判断など、あらゆる知的活動において人間を凌駕する存在とされている。

これらがいつ実現するのか、専門家たちの予測を見てみよう。


⚫︎ AGI(汎用人工知能)の予測

サム・アルトマン氏(OpenAI CEO):

「2027年までにAGIが実現可能」(2024年複数のインタビューでの発言)


デミス・ハサビス氏(Google DeepMind CEO):

「今後10年以内にAGIに近づいても驚かない」(2024年の講演での発言)


ジェフリー・ヒントン氏(AIのゴッドファーザー):

以前は20-50年と予測していたが、2024年の発言では「20年かそれ以下、5年の可能性も完全に排除しない」と大幅に前倒し


ベン・ゲーツェル氏(SingularityNET創設者):

「2027年から2030年にAGIが登場する可能性」(2024年の予測)


⚫︎ ASI(人工超知能)の予測

サム・アルトマン氏(OpenAI CEO):

「ASIが「数千日以内」に到達する可能性」(2024年のブログ投稿)


レイ・カーツワイル氏(未来学者):

長年「2045年にASI到来」と予測していたが、2024年に「2032年」へと大幅に前倒し


ニック・ボストロム氏(オックスフォード大学哲学者):

2033年までにASIが開発される確率を50%未満と慎重に評価しつつも、「アライメント問題で進歩が遅れる可能性がある」と警告(2024年の論文での見解)


ベン・ゲーツェル氏:

「AGI登場後、自己改善により急速にASIへ進化する可能性」(2024年のBeneficial AGI Summitでの発言)


ジェフリー・ヒントン氏:

「ASIは5年から20年以内に登場する可能性があるが、確信度は低い」(2024年の複数のインタビューでの発言)


AI研究者の一般的見解:

AGI到来後、ASIへの進化は「2年(可能性10%)から30年(可能性75%)」と予測(2022年および2024年の複数の調査結果)


⚫︎ やがてくる未来

つまり、AGIは2025-2030年頃、ASIは2030-2035年頃に実現する可能性が高い。これは思っているより、ずっと近い未来だ。そして私たちは既にAIに「使われる」時代に足を踏み入れている。


では、次回またお会いしましょう。


この現実を踏まえて、さらに見ていこう。


【第2回】HIを鍛えよう:「AI時代の現実を直視せよ - 迫りくる変革の波」〜直感力と視点、想起と芸術的衝動。今駆け抜けるAI時代の自立革命

【次回予告】

AIは膨大なデータから答えを導き出すが、それは本質的に過去のパターンの組み合わせだ(今のところは...もっと進化すれば分からないが)。 


このパターンの基礎は私たちのデータだ。ChatGPTへの質問、SNSの投稿のたびに、私たちは無意識のうちに「AIの学習材料」を提供している。


私たちは「AIを使っている」と思っているが、本当にそうだろうか?


AIが学習するための養分になっているだけなのでは?この皮肉なループと未来について、日本の漫画家、海外のSF作家、世界的な発明家が、半世紀以上前から共通して洞察し、作品や理論として残していた。


そして、彼らが予見した未来は今まさに始まったのだろうか。


次回、この養分のことや、優れたクリエイターたちの想像力による人類の運命について見ていこう。


あなたは今日、どれくらいAIの「養分」になっただろうか?



ぜひ「スキ」や「フォロー」をお願いします!とても励みになります。

また、あなたが感じた「AIの便利さと怖さ」や「仕事を奪われているのでは?と不安になった瞬間」などがあれば、ぜひコメントで教えてください。皆さんの体験が、HIをもっと深く理解する上で大切になります。


AI時代だからこそ、私たちは人間らしく生きる力を取り戻そう。


さあ、一緒にHIを鍛えていきましょう。




プロデューサー/カルチュラル・ビジネスアーキテクト←多彩な業界と事業経験←複数M&Aイグジット←国内外7社創業←IT×店舗×飲食×商業不動産×エンタメ←大手音楽プロダクション新規複合型施設ブランドマネジャー。旅/選食/酒/音楽/フラットトレイル/エクスプロア散策/固定観念フリー

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