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執筆者の写真Hiroshi Abe

電車の中で

昨日夜、若手と一緒に電車に乗って次の目的地へ向かっている時、目の前に若くてカッコいいいtatoo を左腕に入れた男性がドア付近に立っていた。とても綺麗なtatooだった。彼はイヤホンをしていたので、僕は中指をカクッと折り曲げて第二関節で、彼の肩周りをチョンチョンと押した。すると彼はイヤホンをとってなんだこのオッサンは?という目付きでこっちを見てきた。当たり前だ。


僕は彼に、「その左腕のtatoo、カッコいいしとても綺麗ですね」と言った。本当に綺麗だなと思ったのだ。彼は驚いたように、少しだけ嬉しそうに「ああ、、」と返事をして、またスマホの画面に視線を戻した。僕と一緒に立っていた若手は何事が起こったのかちゃんと状況を掴めないような雰囲気のままニヤリと笑っていた。そして直ぐに、電車が目的地に着いたので、僕らは2人で駅のホームに降り立った。


電車のドアが閉まりそうになった時、さっきの残像が頭に浮かんだ。僕を見た目が澄んでいて力強かったからだ。僕がさっと後ろを振り返ると、彼もこっちをチラッと見ていた。そして、彼とtatooはゆっくりと暗いトンネルの闇の中へ消えていった。(A)


2024/8/11

地下鉄, Tatoo, 若い男







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